子どもたちが公園で元気に遊んでる姿を見るのは、嬉しいものですよね。
「うん、うん。健全だな」
なんて思うわけです。
「外遊びは楽しいよね」
なんて思いますよね。
が、しかーし!
楽しいばかりじゃないんですよ!危険もたくさんあるんです。
そのひとつが、この暑い季節に最も気を付けなければいけないもの、
そう、熱中症です!
特に子どもたちにとっては大変な脅威となる熱中症。
「暑さでちょっとクラクラってなる、あれでしょ?大げさじゃね?」
なんてバカにしてたら、エライ目に会いますよ!
症状によっては深刻な事態になることだってあるんです!
さあ、大切なお子さんを熱中症から守るために、一緒に勉強していきますよ!
熱中症ってなに?
闘いの基本は敵を知ることです。
まずは、熱中症についての基礎的な知識を身に付けましょう。
熱中症とは?
熱中症をザクッと説明します。
暑いところにいると身体が、その暑さに対応しようと一生懸命頑張ります。
やがて頑張り切れなくなってあっちこっちに色んな障害が起きてくる、そうした症状を全部ひっくるめて「熱中症」と言います。
「ちょっとクラクラする」程度のものから、救急要請が必要なものまで全部、熱中症ってことです。
そして、その中で重症度による分類と症状によるタイプ分けがあるんです。
以下、詳しく見ていきましょう。
熱中症の種類
まず、熱中症の症状には4つのタイプがあります。
- 熱失神
- 熱けいれん
- 熱疲労
- 熱射病
この4つについて、熱中症になるメカニズムと一緒に説明して行きます。
熱中症になるメカニズム
①人の身体の中では常に熱が産まれています。
その熱を適当に外に逃がしてやることで、うまく平熱を保っています。
ところが、運動したり暑いところにずっといたりすると、どんどん体温は上がって行きます。
「ヤバイ!」と思った身体は、熱を逃がすために皮膚に近い血管を太くして血液の循環量を増やします。
熱くなった血液を、外気に触れさせて冷まそうとするわけですね。するとどうなるか。
血液が全身に行っちゃうせいで、脳に行く分が足りなくなってしまい、その結果、意識を失うといった状態になったりすることがあります。
これが、熱失神。
②汗をかくというやり方でも余分な熱を逃がすことができます。
汗が蒸発する時に身体の熱を奪って行ってくれるんですね。
でも、汗をかいたらその分、水分を取らないといけません。
うまく水分補給ができないと、脱水症状になり、身体がだるくなったり気分が悪くなったり吐き気や頭痛がおこったりします。
これが、熱疲労です。
③じゃあ、水分ばっかり取りまくればいいのかっていうとそうではありません。
汗には塩分も含まれてます。
だから、水分と一緒に塩分も補給してやる必要があるんです。
塩分が取れなくて足りなくなると筋肉に影響して、手足がつったりけいれんを起こしたりします。
これが、熱けいれん。
④症状がもっとひどくなると、体温調節が不能になって体温がどんどん上がってしまいます。
すると脳に影響が及んで、意識障害を引き起こすこともあります。これが、熱射病です。
熱失神と熱けいれんは軽症、熱疲労は中等症、熱射病は重症、と分けられ、それぞれ軽症はⅠ度、中等症はⅡ度、重症はⅢ度に分類されます。
熱中症になるとどんな症状になるの?
では、それぞれ具体的にどんな症状になるのかについて見ていきましょう。
症状
①熱失神
めまい・冷や汗・一時的な失神など。
②熱けいれん
手足がつる・けいれんなど。
③熱疲労
全身のだるさ・吐き気・嘔吐・頭痛など。
④熱射病
意識がない、もうろうとしている・汗が出ない
・体温が40℃を越えるなど。
と言われてはいますが、分類通りにいかないのが世の中。
とにかくどれかひとつでも当てはまれば熱中症を疑ってください。こればっかりは疑って悪いことは何にもありませんから。
対処はどうしたらいいの?
子どもの様子がおかしい!と思ったら、まず呼び掛けますよね?
そこでもし反応がなかったら、迷わず速攻で救急車を呼んでください。
一分一秒が命取りになります。
重症の場合、死に至らなくても、後遺症として脳障害や腎臓機能障害が残ることもあるんです。
迷っている暇はありませんよ!
意識がある場合は次の処置を取って様子をみましょう。
救急車を呼んだ場合でも、到着するまで同様におこなってください。
①涼しい場所に移す。
日陰や風の通るところ、冷房のきいた屋内などに移して、足を頭より高くして寝かせましょう。
②服を緩めてやる。
首もと、ベルト、袖などを緩めて、風通しを良くしてあげます。
③冷やす。
うちわなどで扇いだり、濡れタオルで頭を冷やしてやります。
保冷剤や冷たいペットボトルがあれば、首、脇の下、足の付け根に当てて冷やします。
これらの箇所には太い動脈が通っているので、冷やした血液を全身に送ることができます。
④水分と塩分を与える。
できれば経口補水液、なければスポーツドリンクがいいでしょう。ただし、意識がない場合は無理に飲ませないでください。誤飲や嘔吐すると危険です。
熱中症になると死に至ることも・・・そうならない為の予防と対策法は?
予防と対策
熱中症を防ぐためには、暑さに負けない体作りを普段から心がけましょう。
徐々に体を暑さに慣れさせることが大事です。
あまり暑くない時期から、3分、5分、10分と少しずつ外遊びの時間を伸ばして行きます。
寝不足や病み上がりで体が弱っているときは外出を控えましょう。
遊びに行った先では、次のことに注意。
- こまめに水分補給する
- 適度に休憩する
- 日陰を確保しておく
- 帽子・日傘を活用する
- 涼しい服装を選ぶ
外出のときは経口補水液を携行するのがいいですね。
大塚製薬の「OS-1」という商品が市販されています。
大塚製薬工場 経口補水液 オーエスワンゼリーパウチ 200gx6袋
家で作る場合は、水1リットルに砂糖40g、塩3gの割合で。
子どもはほっといたら、体内電池が切れるまで遊びますからね。
大人が時間を見計らって休憩させましょう。
公園選びも大事になります。
木陰があるか、風は通るか、水道は使えるか。
あと、いくら環境が良くても、いつも誰も遊んでないなんて公園だと、いざというときに助けを求めることができないので、避けたほうがいいかも。
帽子は必須アイテム。
あるとないとでは、熱による頭への負担が大違いです。
通気性の良い帽子をかぶせてあげましょう。
服装も気をつけたいですね。
特に乳幼児は自分で暑い寒いが言えませんから、見栄えよりも涼しさ優先で選んであげましょうね。
子どもから目を離さないで!
そして、なによりも大切なのは、子どもの様子をちゃんと見ていることです。
- 顔が赤くなっていないか?
- 呼吸がおかしくないか?
- 汗のかきかたがおかしくないか?
- 歩き方が変じゃないか?
- しゃべり方は普通か?
異変にすぐに気づけるように、しっかり見ていてあげることです。
特に砂場でしゃがんで遊ぶ子どもは、照り返しの熱をもろに受けるので日差しの強い日はとても危険です。
間違っても、子どもに背を向けておしゃべりやスマホいじりなんかしないように!
子どもたちを守れ!
子どもは、大人に比べて汗腺の数が少ないので汗をかきにくいし、腎臓の機能が未発達なのでオシッコを作りにくいんです。
なので、体温調節がうまくできなくて熱中症にかかることが多いんです。
ならば、周りの大人たちがしっかりケアしてあげないといけません。自分の子、よその子関係なく、小さい命を見守ってあげましょう。子どもは地球の宝です!
これからも公園で素敵な笑顔にたくさん出会えるといいですね!