「積立」と「定期預金」は、どちらもお金を“貯める”手段として知られていますが、目的・利率・リスク・流動性などに明確な違いがあります。お金を増やしたいのか、安全に貯めたいのか――自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。ここでは、両者の違いをわかりやすく解説しながら、それぞれが向いている人や活用法についてご紹介します。
「積立」と「定期預金」はどう違うのか？
まず前提として、「積立」という言葉は幅広い意味を持ちますが、ここでは主に投資信託やつみたてNISAなどの“積立投資”を指します。一方、「定期預金」は銀行に預けて一定期間預金を固定する貯蓄方法です。
違い①：目的と性質
積立投資：資産を「増やす」ことを目的に、投資信託などの金融商品を毎月一定額購入する
→ リスクはあるが、長期的にはインフレ対策や資産形成に効果的
定期預金：元本を「守る」ことを目的に、一定期間お金を預ける貯蓄方法
→ 元本保証があり、リスクがないが、金利は非常に低い（年0.002%〜0.2%程度）
違い②：元本保証の有無
積立投資：元本保証はなし。相場によって資産が増減する可能性あり
定期預金：元本保証あり。預金保険制度で1,000万円＋利息まで保護される
違い③：利回りとリターン
積立投資：平均利回りは3〜5％程度（商品による）。長期で大きなリターンを期待できる
定期預金：ほぼゼロに近い金利。増えるというより「目減りしないための手段」
違い④：お金の引き出しやすさ（流動性）
積立投資：いつでも解約・引き出し可能だが、タイミングによっては元本割れの可能性あり
定期預金：満期までは原則引き出せない（中途解約すると金利が下がる）
違い⑤：運用期間と自由度
積立投資：月々の金額・期間を自由に決められる。変更・停止も可能
定期預金：1年・3年など満期が決まっていて、基本的にその間は預けっぱなしになる
どちらがどんな人に向いている？
■ 積立投資が向いている人
・長期的に資産を「増やしたい」
・インフレに備えたい
・毎月少額（例：月5,000円〜）から始めたい
・多少の値動きリスクを許容できる
■ 定期預金が向いている人
・絶対に元本を減らしたくない
・短期的な目的（半年後の引っ越し費用など）がある
・まとまったお金を安全に置いておきたい
・投資に不安がある・はじめは慎重に行きたい
まとめ
「積立」と「定期預金」は、増やす”ための方法（積立投資）と、守る”ための手段（定期預金）というように、目的が大きく異なります。将来に向けて資産形成を目指すなら積立投資、安全第一で貯めるなら定期預金と、それぞれを使い分けることが大切です。どちらかに偏るのではなく、生活費や緊急資金は定期預金、長期資産は積立投資にと分けることで、リスクを抑えながらお金を効率的に管理することができます。目的と使う時期に合わせて、賢く組み合わせて活用していきましょう