「また同じような花火大会か…」と、毎年夏に感じていませんか?
混雑した会場、どこでも見られる打ち上げ花火、なんとなく物足りない夏の思い出。あなたもそう感じているなら、この記事はきっと役に立ちます。
佐賀県西有田町の山あいに、世界中の旅行者がわざわざ足を運ぶ、知る人ぞ知るお祭りが毎年8月18日に開かれています。その名も「十八夜(じゅうはちや)」。一度見たら忘れられない、手製の仕掛け花火が主役の夜です。
「十八夜」とはどんなお祭りなのか
十八夜は、毎年8月18日に佐賀県西有田町大木宿の「龍泉寺」を主な会場として開かれます。その起源は、雨乞いの儀式にあります。
このお祭りが世界的に注目を集めたのは、世界100か国以上で発売されている旅行ガイド「ロンリープラネット ジャパン」に掲載されたことがきっかけです。今では大きなバックパックを背負った外国人旅行者が、田んぼに囲まれた小さな集落に集まってきます。
日本の原風景ともいえる農村に、世界各地からの旅人が混ざり合う光景。それ自体が、このお祭りの持つ不思議な引力を物語っています。
お祭りの流れを時系列で確認しよう
はじめて行く方のために、当日のスケジュールをざっくりまとめます。
- 昼〜夕方:龍泉寺境内に20〜30店の屋台が並び、かき氷やりんご飴などを楽しめる
- 19時ごろ:「浮立(ふりゅう)」と呼ばれる練り歩きがスタート
- 20時前:浮立が龍泉寺に到着し、本祭が始まる
- 本祭:喧嘩演武「ドテカマショ」→池の仕掛け花火→巨大仕掛け花火「じゃーもん」の順に進む
お祭り全体の所要時間は、屋台を含めると4〜5時間ほどを見ておくといいでしょう。
このお祭りの主役「じゃーもん」とは何か
十八夜の最大の見どころは、大木宿に代々伝わる手製の巨大仕掛け花火「じゃーもん」です。
高さ8〜10メートルほどある、一本の木の幹に手作りの仕掛けが30か所以上取り付けられた、まさに「動く花火塔」のような存在です。
町の男衆10数人がかりで横倒しの状態から立て起こし、大縄で固定するまでが最初の見せ場。上部が重い構造のため、何度も倒れそうになりながらの大仕事です。見ているこちらもつい手に汗を握ります。
固定が終わると、一番下の導火線に点火されます。煙がゆっくりと8メートルの幹を登り、仕掛けに触れた瞬間——全方向に白い火花が一斉に吹き出します。
あたりが昼間と見まごうほど明るくなる、その一瞬のために、みんなここに集まってくるのです。
「じゃーもん」の前にも見どころがある
じゃーもんだけがこのお祭りの魅力ではありません。本祭が始まる前の「浮立」も、一度聞いたら忘れられない体験です。
静かな農村の夜に、鐘・笛・太鼓が独特のリズムを刻みながら近づいてくる。その音の気配が感じられた瞬間から、お祭りの空気は一変します。
また、本祭では男衆による喧嘩演武「ドテカマショ」も行われます。勇壮な演武のあと、境内に隣接する池に向かって仕掛け花火が発射される場面は、じゃーもんの前哨戦として十分な迫力があります。
数百本の吹き出し花火が池の水面に向かって噴射され、爆音とすさまじい白煙の中から滝のような火花が現れます。この演出だけでも、見に来た価値があると感じるはずです。
アクセスと宿泊について正直に伝えます
ここは正直に言います。会場となる西有田町大木宿は、かなりの「超田舎」です。
最寄り駅はJR有田駅から松浦鉄道に乗り換えた「大木駅」ですが、お祭りが終わる時間には終電がなくなっています。そのため、JR有田駅までタクシーで戻ることになります(所要時間は約15〜20分が目安)。
有田駅からは佐世保行きの列車がかなり遅い時間まであるので、宿泊は佐世保市内のホテルで確保するのがおすすめです。チェックインが深夜になる旨を事前に伝えておけば、ほとんどのホテルで対応してもらえます。
車で行く場合も注意が必要です。コインパーキングはほぼなく、駐車した場所から会場まで歩く距離を想定しておく必要があります。
現地で困らないための事前チェックリスト
- 携帯の電波が届かない場所があるため、地図は事前にダウンロードしておく
- コンビニは会場付近にないため、飲み物・食べ物は途中で調達する(龍泉寺から徒歩10分のスーパーが最寄り)
- トイレは龍泉寺境内に設置されている
- 雨天の場合は延期・中止の可能性があるため、天気予報を必ず確認する
自販機は点在しているので、飲み物の心配はそれほどいりません。屋台も昼から出ているので、現地で食べながら待つのが一番楽しい過ごし方です。
混雑や場所取りの心配はほぼ不要
「場所取りは必要?」と心配するあなたへ。結論から言うと、ほとんど必要ありません。
本祭の見物は立ち見が中心で、本殿の階段に腰を下ろして見る人が少しいる程度です。人が溢れて全く見えない、という状況にはなりません。早めに行って屋台を楽しみながら待てば、じゅうぶんいい場所で見ることができます。
外からの観光客を大規模に受け入れる体制は整っていませんが、だからこそ人が少なく、地域の祭りの空気をそのままに体験できます。それがこのお祭りの一番の魅力かもしれません。
まとめ:「また来年も来たい」と思わせるお祭り
手製の花火がきちんと成功するかどうかのドキドキ感。浮立の音が夜の農村に響く瞬間。じゃーもんが全方向に火花を吹き出した瞬間の一斉拍手。田んぼから打ち上がるフィナーレの花火。
これらはすべて、ここでしか味わえないものです。お金を出して買ったチケットで見る花火とは、根本的に違う感動があります。
毎年同じ夏に飽きているあなたに、ぜひ一度体験してほしいお祭りです。
🎆 あなたの行動が、来年の夏を変える
「十八夜」は毎年8月18日の一夜限り。来年こそ行こうと思ったら、今すぐ佐世保のホテルをチェックしておくことをおすすめします。直前になると夏休みシーズンで埋まりやすくなります。
この記事が参考になったら、同じように「夏のお祭りに飽きた」と感じている友人にシェアしてあげてください。きっと喜ばれます。